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数年ぶりに訪れたグランヴェル城の一室で、スカサハは幼馴染と晩酌をしていた。セリスが振る舞ってくれたのは、イザークでは滅多に見かけないグランヴェル産の酒だった。酸味の少ない葡萄で作られた酒からは、スカサハが普段たしなむイザークの酒よりも柔らかい味がする。ひりっとした辛さがないそれは、スカサハの舌にもよく馴染んだ。
セリスが一口を飲む間に、二口、三口と飲めば、グラスはあっという間に空になった。
「そんなに飲んで大丈夫?」
目の前で寄せられている心配を深く理解せずに大丈夫と返し、まだたっぷりと酒が入ったボトルを手にとって、ぎりぎりまで器に注ぐ。
これだけ辛みがないのだから、三杯くらいでようやくイザークの酒の一杯だろう。
誤った思い込みのまま、スカサハはまた一口、酒を飲んだ。
外から見れば明らかに赤らんだ顔も、いつもより暑いな、という呑気な感想に変わり、自覚がないまま身体中に酒が巡っていく。
スカサハはまだ知らなかった。普段スカサハが酒を飲む時は、シャナンが顔色を見て間隔を調整してくれていた。思えば、酒瓶がスカサハの手の届く位置にあることはほとんどなく、飲み足すときはいつもシャナンに声をかけていた。スカサハが酒を飲むようになってから一年弱、酒の場には常に従兄がいた。
おかげで、気がつく機会がなかったのだ。
スカサハは自分一人で調整できるほど酒に慣れていなかった。ましてや、グランヴェルの酒はイザークの酒と同程度の強さでありながら口あたりが柔らかい。酒の強さに応じて辛みが増していくイザークの酒しか知らないスカサハは、味わいでしかその強さを判断していなかった。
つまり、全然大丈夫ではなかった。
二杯目を飲み終えると、今まで積み重ねてきた小さな我慢が、急に均衡を崩して揺らぎだした。
最初のぷかぷかと浮かれていた気持ちはどこかへ出かけてしまい、ぶわっと、目から感情があふれだした。
それが相手を心配させるという自覚もないまま、ぽろぽろ、ぽろぽろとこぼし続け、しまいには卓の上に伏せてしまった。
「スカサハ、どうしたの?」
「あ、その、なんでもないんです」
「なんでもない人は、そうやって泣かないよ」
呼吸がうまくできず、スカサハは咳きこんだ。本当に何でもないが、同じくらい、泣いている理由に心当たりがある。
「……シャナンさまが、おやさしいのです」
「え、うん」
「シャナンさまは、おれを、たいせつにしてくれています」
「そうだね。ティルナノグで暮らしている時からそうだった」
「……でも、たりないんです」
スカサハの心はいつだって矛盾していた。シャナンと共に過ごせる時間に温もりを感じながら、その一方で、溢れる思いへの我慢を積み重ねていた。石を寄せ集めた山が崩れないよう一欠片ずつ足し引きするように、矛盾する感情の均衡を必死に保っていた。
「セリスさま、おれ、すきなんです」
スカサハにとって、シャナンは秋の日陰に遅れて咲いた、夏の花のような存在だった。華やかで凛々しいけれど影があり、一輪だけで咲く姿をどうにか支えたいと願う、特別な存在だった。
しかし、そう相談するには言葉が不足していた。
酔っぱらいなりに真剣に言葉を探したつもりなのに、セリスは顔をそらして口元に手を添えていた。心なしか肩も震えている。
「セリスさま?」
「……ふっ。だめだ。ごめん、スカサハ」
思いがけない反応に、戸惑いが上塗りされる。
「ふふ、変な空気になってる。もちろん、僕はわかっているんだけど、その、言い方がね……」
「え?」
セリスは、人のことを無闇にからかい、笑うような人ではない。
ぼんやりした頭で少し考えて、スカサハにも合点がいった。この言い方では、まるで。
目の前にいる友への告白にも聞こえる。
一気に頭が覚醒し、涙もひっこむ。
「あああ、ち、ちがうんです。いや、ちがわないんですけど、俺がすきなのは——」
「わかってる、わかってるから、さ、あはは」
最初は音もなく体を震わせて静かに笑っていたセリスは、次第に口を大きくあけた。上品さの中に、不思議と傭兵のような豪快な雰囲気が混ざった笑い方だった。昔はもっと淑やかに笑う人だったが、軍の仲間と関わるうちに、気づけば笑い方が変わっていた
初めて変化に気づいた時は嬉しくて、悔しかった。幼馴染でありながら、スカサハは大切な友人をセリスと呼び捨てることは、ただの一度もできなかった。対等なようでいて、二人の間には隔てられた壁がある。セリスも、スカサハも、お互いそのことに気づいていながら、幼少から互いを知る友として交友を続けていた。
「もう、そんなに笑うなんてひどいですよ」
「ごめん、ごめん。それで、スカサハはシャナンが好きなんだよね?」
「えっと、そうなんですけど……」
互いに察していても言葉にすることはなかったから、真っ直ぐに訊ねられると変な感じだ。
「まだ伝えてなかったんだ」
「はい」
セリスは困ったように肩をすくめた。
「僕、スカサハの背中を押したつもりだったんだけどな」
グランヴェル城からイザーク城へ帰る直前のことを言っているのだろう。
——シャナン王には君が必要だ。
悩みながらも王と共にイザークへ帰る道を選んだスカサハにとって、あの日のセリスの言葉は支えだった。
スカサハの選択は正しいものだと、彼をよく知る一人に肯定してもらえたのだと思い、嬉しかった。
だからこそ、スカサハは考える。その必要な存在が想定外の気持ちを向けてきたら困るのではないか。直接この想いを伝えたら、返事を求めることになる。そうしないためには、王が自然に気づいて、受け入れてくれるまで待つしかない。
「俺の一方的な気持ちで、あの人を困らせるわけにはいきません」
「スカサハって、意外と欲深いよね」
「よ、欲深い……ですか?」
「だって、自分から伝えるのは怖いのに、シャナンがいつまでも気づいてくれないことを少し不満に思っているってことでしょ?」
そんなことはない、と、否定しようとしたが、冷や汗が背中を伝った。
指摘されてみれば、たしかにその通りだった。シャナンから見合いを提案されるたび、スカサハはほんの少し冷静さを欠く。絶対に見合いはしないと意固地になって、何度もシャナンを困らせた。言い訳のように、未婚の王を支える立場で婚姻なんて考えられませんと言いながら、そのシャナンに対し、誰とも縁を結んでほしくないと祈っていた。スカサハだけが唯一絶対の特別になりたかった。
「案外、気づかないふりでもされてるんじゃない?」
「え、そんなはずは——」
「だって、予感が確信に変わったら、二人の関係は変わってしまうから」
今まで考えもしなかった可能性に、スカサハは青ざめた。
セリスの瞳は遠くを見つめていた。ほがらかな雰囲気から一転、戦時中、一人で空を眺めていた頃を思い出させる姿だった。
嫌な感情が記憶の波を揺らす。スカサハだって同じだった。トラキアへと軍を進めていた頃、セリスの悩みに気づいていながら、自分には手の届かない範囲のものだと決めつけ、線引きし、話しかけることをためらった。
スカサハにとって従うべき存在が、もしも目の前で戦いを否定したら。そう考えると、なんだか剣がにぶってしまう気がして怖かった。
「セリス様、」
「なんてね、安心して。シャナンは多分そんなことしないよ。シャナンは、こっちが心配になるくらい真面目だからね」
「はい。その、……えっと、セリス様は、どちらがよかったですか?」
あの頃、スカサハも、ラクチェも、デルムッドも、ラナも、レスターも、誰もがセリスを特別な存在だと線引きしていた。長年を共にしてきた仲間が誰も何も言えずにいる中、セリスの笑顔を取り戻したのは、仲間になったばかりの人だった。
多分、その時から、ずっと考えていた。スカサハとセリスの間にある距離は正しいものなのか。
二人の間には対等にはなれない壁がある。だが、友としてその壁を越えなければならない瞬間もあったのではないか。
スカサハだって、セリスのことが大切なのだ。シャナンに向ける特別な感情と形は異なるが、友を思う気持ちは本物だ。
あんなにも悩んでいるシャナンとの関係性よりも、不意に表れた目の前の寂しさを心配してしまう程度には。
「うーん、そうだな。……僕がシャナンの立場なら、スカサハの気持ちをちゃんと聞きたいよ」
残酷で優しい人だ。スカサハの後悔に気づいていながら、セリスはそこに明確な答えを与えない。お互いにとって、良い結果にならないと思っているのだろう。
「だから、セリス様は俺の背中を押してくださるのですか?」
「違うよ。僕はただ、スカサハに幸せになって欲しいだけ」
「幸せ、ですか?」
「うん。小さな頃からいつも自分のことを我慢してきたスカサハの希望がかなってほしい。その姿を、僕が見たいんだ」
「セリス様……。俺、セリス様にそんなふうに思ってもらえるような人じゃありませんよ。戦時中だって、俺は——」
「それでも、スカサハは何度も私を支えてくれたよ。今でもたまに思い出すことがある。剣が上手く使えなくて心が暗くなっていた時、ずっと隣で一緒に練習してくれた、きみのことを」
「俺、セリス様に励まされてばかりですね」
「ふふ、僕にとって、スカサハは弟みたいなものだから」
「俺にとっても、セリス様は守るべき存在で、……たまに兄のような人でした」
「それならよかった」
長くて綺麗な指がワインを運び、静かにその量を減らしていく。
「セリス様、そのお酒、もう少しだけいただいてもいいですか」
「また僕の前で泣くつもり?」
「多分もう泣きません。俺、ちゃんと伝えるって決めましたから」
「ふふ、それならいいよ」
スカサハはだいぶ量の減ったボトルを傾けて、自分のグラスに半分ほどワインを注いだ。
「セリス様も、まだ飲まれますか?」
「そうだね。せっかくだからもう一杯」
当たり前のようにセリスはグラスを差し出して、スカサハはそこに酒を注ぎいれた。