創作余談

星降る夜の空のかがやき

2025年8月31日に無事スカシャナアンソロジーを発行いたしました。
私一人でできたことは本当に少なく、こうして無事に本の形にできたのはご協力くださった皆様のおかげです。
ありがとうございます。

無事に発行できたこともあり、本の紹介や、準備期間に実施したことなどまとめたいなと思い、この記事を書いています。

はじめに

はじめに、アンソロジー告知サイトの紹介をさせてください。
https://nono.ltt.jp/scashana2025/

今回のアンソロジーは日ごろから主催と交流のある相互フォロワー様5名に執筆者として参加いただきました。
+主催の作品で計6名の作品が掲載されています(公募もしていたのですが、結果的に皆様交流のある方となりました!)

発行にあたっては、多くの方に助けていただきました。
最初の立ち上げではアンソロジーの主催経験がある執筆者様に日程感のご助言をいただいたり、漫画原稿に慣れていらっしゃる執筆者様に取り扱い時の注意点を教えていただいたり、宣伝前にも、生成AIの学習阻害についても教えていただいたり。
宣伝のツイートも、普段の交流の有無を問わず多くの方にリツイートでの拡散にご協力いただき、とてもありがたく感じていました。

告知サイト開設前から、発行まで、私一人の力ではできなかったなと思うことが本当に多く、関わってくださったすべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。

企画立ち上げまでの経緯

今回執筆者としてアンソロジーに作品を寄せてくださった方のうちお2人に、個人誌に作品寄稿しますよ!と言っていただけたのが企画立ち上げのきっかけでした。
あの日のありがたいお言葉がなければ、今回の企画は立ちあげていなかったと思います。

この時、せっかくお2人もの方に寄稿していただけるなら、アンソロジーにしてみたいと思ったものの、一つ壁があり尻込みしていました。

私には、漫画原稿の取り扱い経験がなかったのです。

同人誌自体は何冊か発行したことがあり、表紙データの作成(お預かりしたデータの確認・印刷を含む)、小説本文の作成と段組み、本にあたって必要な奥付ページ等の作成など経験してきましたが、漫画のデータ形式についてはまったくの初心者でした(ClipStudio Proならセールの時に画像編集用に買って持っているけど……レベル)。

そんな私でもアンソロジーの主催がつとまるのか悩んでいた時に、漫画同人誌を何冊も作成されている相互フォロワー様から、漫画原稿のあれこれを教えていただいてどうにかなる気がしてきました。

そして、インターネットから主催経験をされた方の記事をいくつも読み、主催経験のある相互フォロワー様に助けを求めてご助言いただき、お一人にはアンソロジーの顔になる表紙を描いてくださいと頼みこみ、どうにか今回の企画が立ち上がりました。
(できないこと、わからないことが多すぎて、この時点で主催以外の執筆者様5名全員のご厚意に甘えています。皆様、もろもろ快く引き受けたり教えてくださったりして、本当にありがとうございました)

準備期間にやったこと

今回のアンソロジーは、告知サイト公開が2024年11月頭で発行が2025年8月31日なので、約10か月の準備期間で作成しています。
実際はお声掛けいただいてから準備を始めているので、10月中旬には動き出していたと思うと、長いような、短いような準備期間ですね(アンソロジーで考えると少し長めでしょうか……?)

準備期間に実施したことを時系列でざっくり整理するとだいたいこんな感じです。

  1. スケジュール整理・募集要項整理
  2. 執筆者様の募集
  3. データのお預かり・入稿
  4. 宣伝・頒布準備

細かい話をすると、募集前に最低限の根回しをしたり、人を頼ったり、告知サイトを作ったり色々しています。
これらは以降の詳細な記述の中で書いていきます。

スケジュール整理・募集要項整理

スケジュール整理

実施期間:2024年10月中旬~10月末

ゴール(頒布イベント)を決めて、道筋を立てる。やったことはそれだけなのですが、これがなかなか大変でした。
どれくらいの期間が必要になるかの判断が悩ましいのです。

他の方の主催経験をいくつか読んで日程を引いて、自分が未経験の作業がある工程は体験談より余裕をもたせ、主催経験のある方にアドバイスいただき、どうにか余裕あるスケジュールを確保できました。
結果的には、無理して動かないといけない期間がなかったので大成功だったかなと思っています(ちょっと無理したら5月こくほこ間に合った説もあるので、募集期間を短くしてもう少し短期間の企画にするのも選択肢かなとは思います)。

公募する場合、肝になる日程は以下になると思います。

  • 参加募集締切(~締切までに原稿を作れる日程を確保)
  • 執筆者様の原稿提出締切(~印刷所様の締切までに主催が編集可能な日程を余裕もって確保する)
  • 印刷所様の原稿締切(※早割だとイベントの1ヶ月以上前になる場合もあるので注意)
  • 頒布イベント日

その中でも最重要な日程は、原稿提出締切~印刷所様の締切の間です。
原稿の提出が遅れる場合も想定して、余裕を持たせた日程にしたほうがよいと思います。
原稿の締切から印刷所の締切の間=主催の編集期間です。
つまり、ここの日程に余裕がないと、急いで編集をすることになり、データの不備がある場合には執筆者様の対応も急いでもらわないといけなくなるので、主催も執筆者様もつらくなります。

もし過去の私のように、この主催経験メモから何かを知ろうとしている方がいれば、初主催はとにかく原稿締切から印刷所様の締切の間に余裕をもたせるといいよの一言に集約されます。
私はこの期間を長めにとったおかげで、予定していた皆様の作品を無事に掲載できました。

募集要項整理

実施期間:2024年10月中旬~10月末

こちらもスケジュールと同じくらい大切です。
参加者様を募集するにあたって、意図しない内容の提出を防いだり、執筆者様の間でデータ形式の共通認識を持たせる必要があるので、アンソロジーの企画の肝と言えると思います。

私の場合は、印刷所様まで全て決めたうえで、募集要項を作成しました。
参加締切後なので、色々募集完了後仕様になっていますが、実際に作成した募集要項は、告知サイトのこちらのページで確認できます。
https://nono.ltt.jp/scashana2025/principle/

作成にあたり、Webページに残っている募集要項の名残を沢山調べましたが、多分結構しっかり作成している部類と自負しています。
上記サイトにある観点を満たして検討していれば、全年齢アンソロジーならだいたい足りているのではないかなと思います(実際アンソロジー発行もできたので!)

ちなみに、募集時には知る必要がないけれどデータ作成にあたり必要な情報は、すべて別途作成した執筆者様向けのページに作成しました(印刷所様のテンプレート情報、作品提出の流れなど)。
こちらは細かく書きすぎて、今回の規模であれば指定しなくても問題なかったなと思う内容も多々あります(提出時のデータ名などは特に……)。

ちなみに、この工程での最大の工夫点は「寄稿作品のお取り扱い」に記載した生成AIの無断学習への対策です。
ちょうど対策過渡期に企画を立ち上げたアンソロジーだったので、こればかりは参考になる前例が見当たらず、とても悩みながら書きました。

執筆者様の募集

直接のお誘い

実施期間:2024年10月中旬、募集開始直後

本アンソロジーは立ち上げのきっかけが個人誌へ寄稿いただけるお話スタートだったので、お約束が変わってしまわないように、アンソロジーでもご寄稿いただけるか確認のご連絡をしました(ご快諾ありがとうございました!)。
あと、表紙は本を作るにあたり絶対に必要になるものなので、こちらも事前にお願いの連絡をしていました。

以前から交流がありスカシャナ書きますよ!と言ってくださっていた方には、募集開始後にこちらからご連絡しています。

公募に向けた準備

実施期間:2024年10月中旬~10月末

公募に向けた準備として、参加申し込みフォームの作成と告知サイトの準備をしました。
趣味レベルですが、このサイトも自分でデザインしている程度にはHP作成の知識があるので、気持ちをこめて作りました(とはいっても、こちらのサイトと違ってデザイン回りは既存テンプレートをかなりお借りしています)。

私は個人でレンタルサーバを借りているので使用しませんでしたが、Wixを使って告知サイトを作成しているアンソロジーも多い印象です(告知サイトなしのケースも全然あります)。

公募開始

実施期間:2024年11月2日~2025年5月10日

告知用のSNSアカウントを作成して、いざ参加者募集を開始します。
当時はXが外部リンクだけのツイートを間引くみたいな迷信があったので、リンクの他に画像も用意して告知のつぶやきをしました。
沢山広めていただけてとてもありがたかったです。インターネットの人、温かい。

募集期間中に何度か細々と宣伝リツイートやつぶやきをしました。

データのお預かり・入稿

主催作品の用意

実施期間:2024年11月2日~2025年6月末

とにかく編集期間はフルで編集に集中できるように、自分の原稿を遅刻させるわけにはいきません。
提出締切の数週間くらい前にはある程度主催作品が完成した状態になるスケジュールで準備を進めました。

そんなに長い話ではないはずなのに、悩み、迷走し、ぐるぐるしていたら、とっても作成に時間がかかってしまいましたが、無事に完成してよかったです(完全に裏話ですが、気合が入りすぎてしまった結果全然納得いく話が書けず、似たような話を3本くらいは書いて掲載作以外すべて没にしました……。未練が残らないようにデータごと削除したので、手元に残っているのは1作のみです)。

コメントカットの準備

実施期間:2025年3月末~2025年5月中旬

コメントカットページを作成したい場合は、編集期間にまとめられるように原稿期間と並行して準備するのが良いと思います。
そして、この準備を私は一番やらかしました。
コメントカットのテンプレートに文字レイヤーを入れないようにしましょう。
文字レイヤー、画像編集時に勝手にラスタライズされて画像になって編集できなくなる可能性が高いです。
理解不足で執筆者の皆様にはご迷惑をおかけしました。

結果的に、今回はクリスタを使っている方が多かったので、クリスタ拡張子とpsd拡張子を配布して、文字いれできる方には入れてもらう(フォントは一応指定のものもありましたが自由方針)、できない方は主催が入れる方針でどうにかなりました。

サイズを間違えていたらさらに悲惨な事態だったので、そうならなくて良かったです……。サイズについては絶対に間違えたくなかったので、事前に枠をA5サイズデータに配置して確認したのが良かったと思います。

あと、コメントカットはもう一つ失敗が。主催であることに油断して私、自分のコメントカットを描き忘れて、あわてて用意する事態に陥りました。
最終的にいい感じのページになったので過去の失敗は反省だけして忘れます。

データのお預かり

実施期間:2025年5月中旬~7月中旬

Googleフォームに作品ダウンロード可能なリンクを共有いただく形で集めました。この辺りは原稿データを受け取れればやりやすい形で良いかなと思います。

お預かり後はデータチェックをします。
この時、すぐに見れない場合は一回ご連絡してからチェックの形にすると、提出してくださった方に親切だったかなと反省しています(私は一通りチェックしてからお返事していました)。
ちなみに、データチェックは募集要項のデータ形式にそろえてチェックリストを用意して実施していました。

主催記録残している方のメモなど見ると、この段階でモアレとかをチェックされる方もいるようです。
私はそこまでの知識がなかったので、提出日に間に合った方のデータは最初の締切終了後にまとめて試し印刷をして確認しました(最終的な同人誌の印刷をお願いした印刷所様へお願いする余力まではさすがになかったです……)。

ちなみに、データチェックの主な観点は、トンボ、塗り足し、データサイズ、セリフの誤字脱字(配置的に隠れてしまわないか)、原稿内にお名前があるか(漫画の場合)でした。
他は気づいた範囲でお伝えする形にしていました。

編集作業

実施期間:2025年6月中旬~7月末

データのお預かり~冊子へするのが、個人的には一番楽しい作業でした!!!
もう、幸せすぎて情緒不安定になってしまって、編集しながら感極まって泣いている日がありました。

原稿提出前に調べておいたノンブルの入れ方が実はクリスタEX限定だったり、私が個人の同人誌を作成するときに目次や奥付を作っていたアプリが生成AIに浸食されていて新しい方法を探る事態になるなどトラブルもありましたが、期間に余裕があったおかげで、すべて何とかなりました!

余裕のあるスケジュールが、結局最後に笑ってくれます。

原稿をお預かりする前でも、余力があれば奥付や扉ページ等作り始められるところから着手しておくと貯金ができます。

入稿

実施期間:2025年7月下旬

私は事前に自宅にも分納して事前に仕上がりを確認したかったので、だいぶ早めの入稿になりました。
動きが早いのは、時期的にコミケ繁忙が被るので早割締切が早くなることを警戒していたのもあります(結果的には大丈夫でした)。

入稿を終わらせると、とりあえず頒布物がある状態にはなるので、変な失敗をしていないか緊張しつつもとりあえず安心を得られます。

宣伝・頒布準備

宣伝準備

実施期間:7月中旬~8月末

編集作業に余裕があったので、入稿と並行して準備を進めていました。
特に気にしたのが生成AIの学習対策周りで、希望された方と認識齟齬がないか事前のすり合わせをしっかりしたことで悲劇を防げました。事前確認大事です。

ついでに、ポロっといただいたご意見から、告知サイトの学習対策をもろもろ強化してます(詳細書くと防御の意味が減っちゃうので書きませんが、レンタルサーバでアンソロ告知サイト公開予定で対策詳細知りたい方いらっしゃれば、ご連絡いただければお伝えします)。

お預かりしているデータが意図しない使われ方にならないようにしたかったので、告知サイト・外部サービス共に掲載予定の画像は事前にイメージを確認してから公開するようにしました(これは私のこだわりでもあります)。

宣伝準備で用意したものは以下になります。

・告知サイトのサンプルページ
・告知サイトのメインページ改修(スライドショーを目立たせたかった!)
・外部サイト掲載用のサンプル画像
・外部サイト掲載用のノベルティ画像
・当日お品書き(主催としてよりは個人の参加宣伝用)
・写真サンプル(アンソロ表紙の四角にかわいい箔をいれたため)

写真サンプルまで準備したこと以外は、一般的なアンソロジーとそんなに変わらないかなと思います。

宣伝

実施期間:8月上旬~8月末

8月くらいからXがめちゃくちゃつぶやき間引くようになったので、一生懸命宣伝・リツイしました。
あと、主催が浮かれすぎてほぼ毎日アンソロの話を個人アカウントでするうるさい人になっていて申し訳なかったです。
個人で本出した時の10倍くらい宣伝した気持ちです。
どうか、必要な方に届いてるといいな。

頒布準備

実施期間:8月中旬~8月末

8月中旬から頒布物が届き始めたので、検品などしました。
今回は印刷所様も繁忙期ということもあり、ちょこっとトラブルがあったので、早めに届けてもらってよかったなと思っています。

ノベルティはすべて自宅に届けてもらったので、事前に検品して、袋につめつめしました。
この時期もめっちゃ楽しかったですね。

ちなみに、ノベルティはせなん様のおかげで実現しました。本当にありがとうございました。

よよ(臣)様からもとってもかわいいアクスタをいただき会場限定で展示していました。今後もアンソロを頒布するイベントの時は持参したいです。

頒布

イベント当日はとにかく楽しむだけです!
スカシャナのアンソロジー余裕があったらかきたかったといってくださった方がいて本当にうれしかったです。アンソロジーといわず、ご機会あればいつでもかいてほしい。。。(主催はほぼ日課でCP名検索してます)

通販で謝礼をお渡しした方にも、開催からそれほど遅れずに届いてよかったです(本当は開催日に間に合わせる形でお届けしたかったのですが、イベント前週が残業続きで、発送遅れてしまって申し訳なかったです)。

ちなみに、当日掲載していたポスター(ポストカードにもなっています)は私が人生で初めて描いたA2サイズのイラストです。風邪でゴホゴホしながら、無理しない程度に頑張って書きました~。
あまりにも多くの方に頼りすぎていて申し訳なかったので、ポスターくらいは自力で頑張ろうと、本当に、頑張りました……普段から絵を描かれている方、尊敬します。

冊子のこだわりポイント

表紙:
私のぐっちゃぐちゃイメージ図を綺麗に仕上げてくれたョさんに感謝です。コーナー箔も良く似合う(箔は印刷所様提供のデザイン)。箔の柄や色もすべてョさんに相談に乗ってもらっています。可愛く仕上がって嬉しいです。

遊び紙:
絶対に新星物語を使うという想いを実現できたのでよかったです。

扉ページ・目次・執筆者コメント・奥付:
微妙にレイアウト調整をして、冊子の状態でなんとなく真ん中に見えるようにしました。

その他:
お預かりした作品すべてが一番素敵にかがやく配置にしたくて、うんうん悩みながら順番を決めました。
どの作品も本当に素敵なので、考えている時間がとても楽しかったです(多分編集時間より拝んでいたり読んだりしている時間のほうが長い……)。

最後に

書きながら思いましたが、主催が自力のみでどうにかできたこと、自分の分の作品制作と告知サイト作成と、ポスターくらいしかないですね。周囲の人の優しさを感じます。

そして、アンソロジーはまだまだ部数に余裕があり通販もしていますので、必要な方はぜひお求めください。

◇Booth
https://y5fever.booth.pm/items/6897004

◇FOLIO
https://www.b2-online.jp/folio/22062000061/001/

リアルイベントは悩み中ですが、5月こくほこ参加説が個人的に濃厚です(11月は別ジャンル推しCPオンリーが重なっているので、そちらをゆっくり見たい気持ちもあり……)。

最後になりますが、改めてご参加くださった皆様へ感謝の気持ちを伝えさせてください。
本当にありがとうございました!

記事、長すぎたかな。