創作余談

作品語り:山羊の歌

「山羊の歌」を書いた時の思い出を、自分用の記録として残したくなったので書きます。

山羊の歌は、私が頒布した1冊目のスカシャナ同人誌です!
イベントから1ヶ月経ったのに、いまだに描いていただいた表紙を眺めて、家にスカシャナの本がある嬉しい嬉しいしてます🥰

読んだ印象と違う!となってもお気になさらずどうぞ。
私は、正確に伝わらなくても、読んだ中での解釈を見つけてくれていたら嬉しい!と感じる性格です。

作品のテーマ

「シャナン様の救い」がテーマです。
ディアドラ様を失わせてしまったという傷を抱えるシャナン様が、スカサハくんに救われながら前を向いていく、その過程を書きました!

さらにテーマを分けると、「前を向く(過去ではなく未来を見る)」と、「過去の受用」に分割されて、スカサハくんは前者の中心人物です。後者はユリアです。

個人的に、シャナン様の過去の傷を癒せるのは、セリス様とユリアしかいないと思っています(逆に、セリス様とユリアは必要以上に過去を思い出させてしまうので、シャナン様が未来を見るにはスカサハくんが必要だとも思っています)。
セリス様との話は原作がたくさん書いてくれているので、今回はユリアに頑張ってもらいました(その結果、イベント後に入手した加賀さんインタビューの内容と完全に矛盾しました😂 加賀さん想定だと、ディアドラ様の記憶は戻らないらしい……)。

ユリアからの許しという展開を書くにあたり、シャナン様が抱える申し訳なさの中に、恩人であるシグルドとの約束を守れなかったことは含まれているのか、ということに悩みました。
悩んで、悩んだ結果、シグルドからの許しはシャナン様の中にもう沢山あるから、やっぱり必要なのはディアドラ様の許しなんだろうなと思いました(セリス様の許しというか感謝もセリス様から直接聞けるので!)。

ディアドラ様が失踪した直後のシャナン様は、シグルドとの約束があったから、シグルドとの約束を守れなかったと自分を責めていた気がします。
けれど、その件に対してはシグルドからすでに許しを得ていて、シグルドからの許しを得ても自分を許せなかったシャナン様は「ディアドラ様を守れなかったこと」を責めるようになったのかなって。
5章の段階ではすでに、ディアドラ様のとの約束があるからセリスを渡さないって言い方になってるんですよね。
大人シャナン様の傷は、ディアドラ様を守れなかった後悔がメインだと思っています。

モチーフ

山羊です。
初の同人誌は原作を隅々まで噛み締めるぞ!の思いで、設定資料集をみながらイザーク王国の国旗の要素をふんだんに取り入れました。
もしイザーク王国の国旗を見たことないかたがいらっしゃったらぜひ見てください……。

砂漠の乾いた空気あたりも前面に出す予定だったんですけど、話が固まっていくうちに余計な要素になっていたので削除しました。心の乾きと満ちを重ねたいな、なんて思っていたんですよね。

あと、最初は中原中也『山羊の歌』にちなんで、ボードレールの詩を引用しようと思ってたんですけど、メインがブレるのでやめました。
引用しようかなと思っていたのは、『悪の華』の「敵」という詩です。
私はボードレールを多分正しく(学説に沿う形で)理解できていないので、違うよって言われてしまいそうなんですけど、この詩はシャナン様の心情にどこか重なるものがある気がしています。

ちなみに、タイトルが中原中也先生の詩集と同じですが、山羊にこめているメッセージは別物です。
影響は受けたけれど、タイトルも異なる想いに由来します。

ついでに、原稿中に書いたモチーフとしての山羊のまとめ記事のリンクも置いておきます。
私が中原中也先生の詩集にこめられた山羊のメッセージをどう感じているかとか、書いたはず。
モチーフとしての山羊

お気に入りの場面

書きたかったのは、6,7,9章です。
6,7がスカシャナのサビで、9はユリアとの会話が書きたかったのです。

6→7章の流れは、特にスカシャナの互いに互いを気遣う優しい性格と、シャナン様がスカサハくんの感情に気づいてから受け入れるまでの過程を書けたかなと思うので満足です。
ツイッターでも、最高最高!って自分で書いて自分で暴れました(笑)

結局、本編中では「恋愛」という観点では互いの感情がうまく噛み合わなくてあとがき後の内容につながるのでした。ゆっくりペース。
あとがき後の内容は、欲を出しすぎたかも。

9章は、私は書きながら自分で泣きました。シャナン様の救いすぎて。加賀さんのインタビューとは矛盾してしまったけど、インタビューを知っていてもこの内容にしたかもと思うくらいには気に入っています(誤解が無いように補足すると、インタビュー記事内でも語った内容はあくまで一面だと締めくくっているので、原作内で語られない部分の差異は加賀さんも容認しています……)。

原稿中に聞いていた音楽

・聖戦のゲームBGM(書いている箇所に該当する章のもの)
・ショパン色々
・シューベルトのピアノソナタ第21番

をきいていました。

私が聖戦の話を書く時は、基本的にゲームBGMを聴いています(楽しい)。
聖戦は章ごとの曲が確立されているから、聞いているだけでゲーム内の出来事を思い出せて好きです。
所有しているのがミニアルバムみたいな方で、アグストリア王宮の音楽とか色々が足りてないので、そのうち収録楽曲多いサントラも買いたいですね。

ショパンは私が聞いていると元気になるので聞いてます。
100曲くらいのアルバムを流しっぱなしにしてるので、気に入っている音すら題名がわかっていません。
外で聞いても、アルバムに入ってるショパンの曲っぽい!までしかわからないのだった。
いつか1曲ずつ丁寧に聴いていきたいけど、いつも作業音楽にしてしまいます。

シューベルトのピアノソナタは何で知ったか覚えてないんですけど、聞いてるとシャナン様に想いを馳せてしまうので、定期的に聞いてます。何番だったかいつも忘れて冒頭彷徨う旅になっていたので、この文章を書いてようやく何番か把握できました。

後味が悪くなるかもしれない話

本編を書きながら、背景を確認するために落書きした親世代(シグルドとアルヴィス)の話です。
視点が違うと見えるものも違いますよね。
燻る炎

余談ですが、オイフェとシャナンを比べた時に、オイフェはシグルドの忠義で動いていて、シャナンは罪悪感がベースになっているという対比もたまらなく好きです。

気が向いたら書き足します。

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