感想

ゲーム感想:FF7

FF7をクリアした感想を書きます。

記載内容に勘違いがあったらごめんなさい!
ヴィンセントは未加入です。

※社会問題に関するワード(原発、テロなど)を使用しています。

以下感想。

神羅カンパニー

物語内における神羅カンパニーのあり方が作品に深みを与えていて大好きです。
私は、神羅の若社長って「星を守ろうとする側」の人間なのでは?と思っています。

プレイヤー視点で得た情報だから、神羅がどこまで考えてたかは精査できていませんが、本編開始時点の認識でも、

・セフィロス放置は悪手
・セフィロスを追えるのはエアリスだけ
※この時点では世界が滅ぶというより権威がどうこうみたいなニュアンスだったかも……

のはず。

セフィロスの手に黒マテリアルが渡るのは時間の問題だった(これは後からわかった情報のはずだけど……)から、主人公たちの存在がないと仮定した時、神羅が限りなく主人公たちの役割に寄るはずなんだよなあと、ふつふつと思ってしまう。
というか、神羅は宝条という存在を内部に抱えてなければ、もう少し真っ当な立ち回りしたでしょ。

神羅って、序盤のエアリー襲撃、若社長の発言、魔晄エネルギーの危険性、テロリスト潜伏地ごと切り捨て、(宝条がマッドサイエンティスト)あたりで、プレイヤーの印象が悪役の立場に寄るけど、行動だけ見るとわからなくもない。

彼ら、日本でいうところの政府的機能を担っている存在だと思うんですよね。

そして、神羅は政府の視点に立つと、主人公サイドの魔晄炉爆破ってかなり過激テロリストの行動。

例えが良くない気はしますが、原発反対の過激派が、急に施設に乗りこんで原子炉なくせ〜と爆破したと思うと、怖すぎる(爆破行為での魔晄の被曝は作中にないはずだけど、某村のこと思ったら被曝の被害も発生するのでは……と思ってしまう)。

作品のスポットライトが、貧しい民や犠牲者にあたりがちだけど、普通に恩恵感じて暮らしていて、主人公サイドの行動の犠牲になった人も沢山いるはずなんですよね。

どこかの村の人も、魔晄炉で暮らしがよくなったと言ってたし。

だからといって切り捨てて良いのか、取りこぼしてよいのかは別問題ですが。
そして若社長の発言「恐怖で支配」(的な内容)はどう擁護してもだめだと思いますが。

ただね、神羅の立場で主人公達への態度が厳しくなる理由はわかるんですよ。

物語序盤。ただでさえ政府の権威が落ちているところに、魔晄炉爆破されて被害が出ているものだからさ。
神羅としては再び民を導くためになんとしてもイメージアップしたい、そんな状況だからねえ。

 

とまあ、一体どうして、くどくど神羅の作品内ポジションの認識を書いているのかというと、私がFF7っていいゲームだなと思った理由に必要だからです。

主人公サイドの過ちを、味方サイドから後半にびしっと突いてくれるのがとても良いんですよね。

序盤の視点が過激派の思想に寄ってるから、主人公側のテロリズムが社会状況的に仕方ないんだ〜って描写に見えるけど、そもそも、その過激思想側のリーダーだったバレットさんって視野が狭い。

これはバレットさんが悪いわけではなくて、バレットさん自身も神羅の犠牲になった人だから、反神羅感情が強くて状況を俯瞰できてないという意味です。

身近な人に深い情をもって接することが得意な人だから、世界を俯瞰してみるのが苦手なんですよね(だからボスにはなれるけど、リーダーには向いてない)。

でさ、そんなバレットさんと、対をなす存在がいるじゃないですかあ。

ケット・シーですわ。

神羅からは離れられないけど、立場に縛られながらも正義のために行動を起こした仕事人間。
またの名をリーブ。

彼は自社の活動にも疑問を抱いているだけあり、作中で1番、民の生活を俯瞰している人だと思います。
※ナナキのおじいちゃんは、人ではなく生命の単位で俯瞰してるから、民の生活はむしろ見えてないと思うため。

バレットさんが立場に縛られず心に従って、熱い情熱で目の前を見てずんどこ行動する人なら、リーブさんは立場に縛られながらも心を捨てきれず、広い視野を持って慎重に行動する人なんですよ。
あの組織の中でも民のための行動の芯を失わない仕事人〜!

そんなリーブさんだからバレットさんたちのした原子炉爆破の被害の大きさだって当然わかっているわけです。
わかっていても、自社の活動だけでは中が腐敗してて民を守れないから、ケット・シーとしてスパイしてる。

それでね、リーブさんはスパイという立場もあるから、一回信用を裏切りマリンも人質にした負い目があり、今までバレットさんの出した被害への言及を我慢していたと思うんですよ。

その我慢が、ミッドガルを散々放っていたバレットさんが、マリンの危機と知って大義のためという声を手放した(厳しい言い方をすればボスの庇護下にない犠牲に鈍感とも言えるかもしれませんが、人間は大体そうなのでバレットさんは非常に人間らしく好きです)瞬間に爆発するのが本当に良い。

バレットさんのやり方が間違っていたのはみんな知ってるよ。
でも、それを面と向かって言えるのはやはりリーブさんの立場だからなんですよね。

ここで初めて、序盤のある意味正当化して描かれていた主人公たちのテロリズムへの糾弾が入り、その後、自分たちの行動の正当性に悩みながら、それでもセフィロスの活動は阻止しなければならないと、自分たちの活動は必要だと信じて戦う物語に転換される。

序盤に神羅カンパニーのあり方が作品に深みを与えていると書きましたが、その中でも特に物語を深めたなと思うんですよね、この場面(リーブさんの立場込みで)。

神羅がやろうとしてたヒュージマテリアをメテオにぶつけるのとかも、クラウド側が本当に阻止して良かったのかなって、悩んでいるの、大好き。

失敗するか成功するか分からない賭けでその後のセフィロスへの対抗手段を失うわけにはいかないかもしれないけど、莫大なエネルギーでホーリーの代わりにメテオを相殺するって一つの解ですからね。

特に終盤は、神羅がもう一つの「星を救おうとするもの」になってるんだなあ。だからクラウド側の悩みと選択に深みが生まれる。

そして選択した責任を果たすべく戦い続けるときに、クラウドが「本当は何のために戦っているのか確かめに行ってほしい」というのがまた良い。

あの、みんなでよし戦うぞってなっている場面でこれを言えるのは、自己の乖離に悩んで自分を見失ったクラウドだからだなあと思います。

エアリス

私の強化アイテムを途中まで吸いつくしていなくなってしまった女の子。
えありー、えありーどうして。

僕はもう、90年代から00年代ゲームの名前/愛称が「エ」から始まり、「リ」を含むキャラを育てるのはやめにするよ……(非プレイアブル化の思い出の数々)。

私の傷はまだ癒えませんがエアリスはその存在が失われても最後までヒロインでした。

正直、発売から30年弱経過した今の時代にこのエアリスが迎える結末知らないで遊べたのが奇跡ですよね……。

知らずに費やした強化アイテムの悔いはありますが、その分だけ私の中での彼女の想いが大きく膨らみ、クラウドたちと共に彼女の喪失を悲しむことに繋がったとも思います。

こういう経験をすると、迂闊なネタバレ知る前に気になる作品は触れたほうが良い気がしますね(私には絶対好きになっちゃうから怖くて見てない老後の楽しみ作品がある)。

話を戻しまして、エアリスの意志に気づいたクラウドの、悲しむことに精一杯で彼女の想いに気づけなかった的な発言がとても好きです。

私もクラウドと同じだなって……。
突然失われたエアリスへの悲しみにいっぱいいっぱいで、おじいちゃんが言うまで、エアリスがセフィロスに殺される時のムービーで転がっていったマテリアのことを忘れていました。

エアリスの喪失を悲しんでばかりで、彼女が一人でも行動したその想いに気づけなかった。
彼女の残した想いに気づくまでには時間が必要で、それだけ彼女の死はあまりにもショックで……。

さらには続く展開でクラウドとティファまで非プレイアブル化(一時的)したものだから、もう、私はその日の戦略をやりくりするのに精一杯でした(泣)

そんな自分の精一杯で、ずっと彼女の思いを置き去りにしていたのだと思うと、もの悲しくて泣きたくなってしまった。

そして、エアリスが残したものに気づいてからは、クラウドたちの中で確かにエアリスが生きていることに、また泣きたくなってしまった。

命が失われても想いは残る。

これは、FF7が伝えたかったメッセージの一つだと思います。

FF7の物語は現実の社会問題を多数取り扱っていると思うんですけど、それらは物の善悪ではなくて、人の意志と行動を示すためにそれらを取り扱っていると思うんです。

間違っているかもしれないけど、信じているもののために進む力。

その結果を、あの物語は否定も肯定もしない。
ナナキと子供達が、文明が去り苔むした大地を走るエンディングは、そういう意図なのではないかと私は思います。

間違えたし、正しかったかもわからない。
それでも、失われたものあれば残されたものもある。
クラウドたちのあの日の想いはナナキの中に残っていて、行動の結果については何も語られない。

そんな主人公たちの行動に対する結果の儚さが、この物語をより魅力的にしているんだなあ。

木枯らしのように心地よい寂しさに、今はただ心を委ねています。

セフィロス

私は彼とのバトルに最も苦戦しました。
強い魔法が3つ揃わないと倒せないラスボス。
初戦は削れど削れど削ったhp以上に回復されを繰り返して終わりの見えない戦いに心が折れてリセット。

しかし私はクリアを諦めない。

クラウドたちとゆかりのある地を中心に世界各地を旅して、ときには敵うわけのない砂漠の赤いモンスターに絶滅させられたり、迷子になったりしながら、必死に彼らを強くした。

その成果もあり、2度目は無事にクリア成功。

今回は初回なので、クラウド、バレット、ティファの始まりのメンバーに頑張っていただきました。

ヴィンセントの仲間入りに成功した暁には、ヴィンセントとケット・シーで頑張ってもらおうかなあと思います(でもシドもニンジャの子も使いたいよ)。

ところで、リバースセフィロスって結局リバースさせると戦力不足のところで回復されまくる(?)ように思えたので、集中砲火でリバースさせなかったんですけど、これ倒し方あってるのかな。
1回目の時リバースさせると余計に戦況悪化してたからちょっと賭けだったんですよね。

あと、セフィロスのイメージがどん兵衛のCM(クラウド、どん兵衛を食べないか?)しかなかったので、元から認知してたキャラの中で最も印象が変わりました。

ただ彼の行動原理がまだ私の理解の外にあるので、ヴィンセントさん加入verで遊ぶ時にもう少し彼に着目できたらいいなあと思うばかりです。

ヴィンセントさんの仲間入りをし損ねたこともあり、2周目遊ぶ気満々なのだった。

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