ののはなメモ帳

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憧れの作家は人間じゃありませんでした
感想

久々に毎週の更新を心待ちにしたドラマでした!

この先ネタバレ配慮なしの感想です。


このドラマ、自分のことを平凡だと思っている編集者と吸血鬼の作家の話なのですが、出てくるキャラクターも脚本の構成も、画のつくりも好みで。
そして役者さんの演技も良かったですね。

最終回を迎えたので感想を書こうと思うのですが、あの、6話かな、飛頭蛮の回のタイミングが完璧すぎやしませんか?

この物語の中心人物って、吸血鬼の御崎禅と彼のような人ならざる存在(人間と同じ姿形をした人間以外の生物)を人と同じように扱い接する2人(担当編集の瀬名あさひと警官の林原夏樹)で、話の内容的にも人間と人ならざる存在は分かり合える部分もあるという質感が強いんですよね。

その間にサスペンス要素みたいなのもあり、瀬名あさひに成り代わろうとした危険な人ならざる存在の登場などもありましたが、瀬名の人ならざる存在に対する態度って揺らがないんです。
彼女は、一貫して人と同じように人ならざるものに接する。

その瀬名の反応が特殊なものなのだと知らしめてくるのが6話なんですよ。
人間だと思い付き合った恋人が飛頭蛮だったことを受け入れられない男〜!

今までそれでも再会することさえ叶えば御崎禅の存在は受け入れられるのでは?という視聴者の甘い感想を揺らがすスタンス。

瀬名が御崎の背景を知っているからこそ、一層強く人間と人ならざるものが結ばれるハッピーエンドもあっていいと願う気持ちもわかるし、それより長く現実を見てきた人たちが、そんな簡単にいかないんだと思いつつも、瀬名の行動を止めずにいるのも良い。
視聴者から見ても明らかに空回っている空気が痛々しい。

これが現実なんだぞって、突きつけられる感じがたまらなかった。

そして飛頭蛮の失敗を引きずっているところに、御崎が人ならざる存在を殺してしまった1年前の事件に関連した事件が発生。

ここのすれ違い本当にさあ!
瀬名は今まで一緒に行っていた事件について来るなと言われたのが飛頭蛮の回のこと関係あるんじゃないかと強く踏み込めないし、御崎はただ瀬名を守ろうとしているだけという。

間に入る林原さんがそんなすれ違いを解いてくれるものの、その直後に刺されてしまう。

もうめちゃくちゃですよ。

大体1話単位でテーマになる人ならざる存在が変わっていく中で、飛頭蛮の回が物語の転換として上手く機能しすぎてる〜!

もう、唸るしかありません。
感想探してもこんなに飛頭蛮の話してる人あまり見かけなかったので私の感性が特殊な可能性はある。

ラストシーンも恋愛に偏りすぎずに2人の姿を見せてくれて本当に良いドラマでした。
ありがとう、ありがとう。

ちなみに、個人的に好きなシーントップ3を頑張ってひねりだすとこんな感じです。

1位:
ラストシーンの御崎善と瀬名のやりとり〜「死なせるわけにはいかないんだよ!」の電話場面
→ここ視聴者視点では御崎の探してた相手が瀬名だとまだ分からないんだけど、御崎の人生の多くが救われた瞬間の焦りだと後からわかるのが最高です。

2位:
狸と父を亡くした子供、お別れのキャッチボール
→この回も話としてめちゃくちゃ良かった。御崎の冷たく見える優しさがひしひしと感じられる話ですよね。子供には姿が狸だと明かさなかったけど、あの子は遠くない将来、父を失った悲しみの中に発生した奇妙な出来事を思い返して一層父との思い出を大切にするんだろうなと思います。

3位:
屋上で御崎を説得して帰宅する瀬名
→重要物語ロンドのラストシーン未満(この未満はロンドのラストシーンにより近いのが最終回だという思想に基づいた表現)な演出もよかったですね。
この話を見た時に、御崎の運命の相手は瀬名なんだろうなという強い確信と、それとは別に運命の相手が見つからなくても長年の思い出を宝箱にしまって瀬名あさひがいるから本を書く御崎が生まれてもいいじゃないかという感情が発生しました。

とにかく良きドラマでした。畳む