ののはなメモ帳

ブログ未満の内容たち

恵棟さんがとてもとても好きなの

戴国、驍宗様と泰麒のことを好きになるのはある意味で想定内だったので、可愛い可愛いしながらどうにか可愛がりムーブを耐えていたのですが、恵棟さんが想定外で我慢できません。



……何をもって耐えたとするかは、私の主観でしかありません。

恵棟さんの魅力に気づいたのは、白銀の1-2冊目の2周目を読んでいた時でした。
苦しがりながら読んでいた本の中で、私は心の癒しに気づきました。
そう、恵棟さんです。

何を言っているのか分からないと思われるかもしれませんが、すっかり沈んでしまい一縷の希望に縋るしかない戴の国で、恵棟さんは私の光でした。

最初は、阿選の麾下でありながら、泰麒に心をもって尽くす在り方に惹かれました。
泰麒や項梁に警戒されても、自分は阿選の麾下だから仕方ないと思い、それでも手を抜かずに尽くす直向きさ、働きが認められた時に素直に喜ぶ善良さが、愛おしくてたまらなくなりました。

阿選こそが王になるべきだったと、かつては心の底から信じていた恵棟さん。

主が謀反を起こした後も、直々に納得させられていたら許していただろうという感情を認めている恵棟さん。

その恵棟さんが、阿選が王になるのは認められないから暇が欲しい、主上(驍宗様)こそが王だという、その場面がいかに恵棟さんの良さを示したことか。
完全に贔屓目です。

彼はただの麾下ではなかった。
正しさに悩み、国のことを思い、そうして崇敬していた主君にとらわれていた感情を自ら断ち切ってみせた。

泰麒という絶対的な正しい存在に惹かれたというのはあるかもしれません。
けれど、かつて驍宗様が王位についた直後は、身贔屓で阿選様こそと思っていたその人が、6年の時を経て、自分で考えて道を選んだ事実がたまらなく愛おしい。

不遇な立場に置かれた時間が長くても、諦め半分で文句を言わなかった恵棟さん。
その状態でやっと貰えたお役目が、麒麟のお世話だった。
もう、天の巡り合わせに感謝するしかないです。

恵棟さんが、それでも阿選を慕っていた感情がかつてあったことまでは否定していないのもまた好きです。
目が曇っていたのかもしれない、憧れを押し付けたのかもしれないとは思っても、主だった人物に憧れた気持ちをなかったことにはしていない。

自分のしたことを無かったことと信じこんでしまう張良さんとは大違いです(私は、彼のこともマスコットキャラクターとして可愛がってます!)。

恵棟さんは文洲に派遣されるようなので、この先また活躍が待っていそうで私はワクワクしています。

恵棟さん、苦しい戴国の惨状で、私に光を見せてくれてありがとう。

#十二国記 畳む