ののはなメモ帳

ブログ未満の内容たち

ものすごくアサオズだった。身構えればどうにかなるとか、そういうレベルじゃないです、この二人。

だって、さすがにこれだけキャラがいるからこれ以上は見せつけてこないだろう、もう見せ場は過ぎただろうと思っても、次々と彼らを見せつけられるんですよ。

これで騒ぐなという方が無理です。

※下にある「続きを読む」をクリックした後、ほぼメインストーリー1部にしか触れていない私が感情整理のために描いた妄想が表示されます。

既に公開済みの私が触れていない情報と矛盾してる自信しかない(どっかのイベストで出会いもすでに書かれているのでは?とも思う)けれど、こうでもしないと心が落ち着かなくてですね……。ひとまずこれを感想文の代わりとします。

あまりにも矛盾がひどくなって恥ずかしくなったら削除するかも。

あとで1部に対する感想はどうにか整理したいですね。直視すると心がざわざわして落ち着かないのでいま消化中なのです。


2025/2/24追記
オズ様の親愛度ストーリーを読んだ結果、動機はもっと無慈悲だったのだろうと思いました。
気まぐれは気まぐれでも、かわいそうとも思っていない感じ。
そう感じるだけの心が育っていなかったのだと思うと、胸に来るものがありますね。


 滅多に人の立ち入らない山に子供の気配を感じたのは、北の国でもひときわ吹雪が冷たい日だった。子供は最初、大人と共にいた。だが、すぐに大人の気配は消え、子供だけがそこに残された。
 きっと、捨てられたのだろう。子を探す親の気配はどこにもない。
 オズはその場面を直接目で見たわけではなかった。ただ気配を感じていた。子供が捨てられたのは、オズが己の糧となる動物を狩ろうと、山へ意識を向けた時だったのだ。

 子供は最初、うろうろと歩き回っていた。母を求めて泣き、捨てられたことにすら気づいていない様子だった。子供には強い魔力が宿っていた。けれど、いつまで経っても子供が魔法を使う気配はなかった。おそらく、まだ簡単な魔法すら満足に使いこなせる年齢ではないのだろう。
 子供は次第に動かなくなった。寒さを耐え忍ぶように膝を抱えて座り込んだ。そして、静かに、静かに弱っていった。
 オズは、暖炉の炎により外の寒さが絶たれた自室で、その気配を感じていた。オズに子供の気持ちはわからない。わからないが、子供が気になって仕方がなかった。
 オズはこの世界で冷酷な存在だと恐れられていた。力を利用しようとする者すら滅多に近づいてくることはなくなり、随分と長いこと、雪の中にある城でひっそりと暮らしてきた。命知らずの愚か者が稀にオズの住処を荒らしにくることはあったが、オズはその度に大した苦労もなく来訪者を追い返した。
 生きてきた年月に反して、オズの知り合いは少ない。そんな孤独と共に生きる彼が、子供の気配へ注意を向けたのは、果たして気まぐれだったのだろうか。
 もしかしたら、捨てられた子の弱っていく気配に、少しばかり思うところがあったのかもしれない。
 もうずっと昔、オズも人から生まれた子であった。誰の記憶に残っていないとしても、自分自身すら忘れていたとしても、最強と恐れられるオズにも誰かに守られていた時期があった。
 だからなのだろう。死にゆく子供に気づいていながら見捨てるのは、どうにも気分が悪かった。
 オズは外套を羽織りながら、自己の中に人間らしい情が残っていたことに、驚いていた。

 オズが山に降り立った時、子供には目をあける力すら残されていなかった。雪のように真っ白な髪をもつ子供だった。夜の闇と同じ色をしたオズとは到底交わりそうにない、まぶしい、光。
 オズは迷った。今自分がこの子を拾ったとして、与えられる慰めは一時的なものでしかない。この子は、親に捨てられた事実を受け止め、決して交わることのなかったオズの下で暮らしていくことができるのだろうか。人が寄りつくことのない孤独な男と、眩しい子供が共に暮らす姿はどうにも想像できなかった。
 オズには友人がいない。城の周りにも人はいない。オズの孤独を示すように、オズの城は誰の気配もない雪の中に静かに佇んでいる。拾えば最後、子供はどこにも行けないだろう。子供の世界はオズの暮らす城の中だけになる。
(それでも、誰にも知られずこの場所で石になるよりは良いのだろうか……)
 わからなかった。まともに人と関わることを避けながら暮らしてきた男は、どんな理由をつければこの子を拾い帰ることができるか知らなかった。
 オズは頭に雪を被りながら黙って答えを探した。その間にも、冷えていく子の体に気持ちばかりの熱を与えていた。
 そうして悩んでいる間に子供が目を覚ました。温めてやりすぎたのだ。子供の瞳は、よく晴れた日の空と同じ色をしていた。多くの者の血を見届けてきたオズとは正反対の澄んだ色だ。
「きれいなかみ……」
 無邪気で、細い声だった。オズが見捨てた瞬間、この子は石になると悟らせるには十分なほど、子供の声は弱り切っていた。
「むかえにきてくださったのですか」
「……」
 柔らかく笑った子供に、オズはかける言葉を持っていなかった。
 迷いながら手を伸ばすと、小さな熱がオズに触れた。
「あたたかい」
「……そうか」
「あーさーは、いしになるんですか」
 子供らしくない諦めの声を聞いたとき、ああそうか、とオズは納得した。いざとなればこの子を石にして食べてしまえばよいのだ。オズはこれからこの子を食べるために拾う。だから、子供が城に馴染むかどうかを考える必要はない。強い魔力を持つこの子を、魔力が育ちきるまで育てて、食べるために、連れて帰るのだ。
「今日はまだならない」
 扱い方も知らない子供を抱き抱えてやると、アーサーはオズの考えを何も知らずに安心しきった顔でわらった。

 出会ったときの衰弱が偽りであったかのように、子供が元気になるまで時間はかからなかった。目を覚ました子供は、ぱちくりとオズの顔を見つめてから、おそるおそると起き上がった。
「アーサーは、生きているんですか?」
 オズは言葉を返さなかった。しばらくすると、アーサーが何かに気付いた様子であわてた。
「あの、ぼくは中央の国の王子、アーサーです」
 人を疑うことを知らない真っ直ぐな瞳は、返事を待つように、じっとオズを見つめている。
「私はオズだ」
「オズさま!」
 アーサーは、そう言って宝物を見つけたときのようにはしゃいだ。
「オズさま、オズさま」
 弱っていたのが嘘のようにはしゃぐ子供は、どういうわけか、ぐるぐるとオズのまわりを駆け回っている。
「えへへ、オズさま!」
「なんだ」
「たすけてくれて、ありがとうございます」
 そう笑って、アーサーはオズに抱きついてきた。純粋な好意だけを向けられた経験のない孤独な男は戸惑った。雪山で見かけたとき以上に眩しい子供だった。そして無邪気だった。
「礼を言われる理由がない」
 アーサーは不思議なものを見たときのように首を傾げた。それも長く続かず、すぐにまた子供らしい無垢な笑顔を取り戻した。
「オズさま、アーサーはいつお城に帰れるのでしょうか」
 アーサーは、捨てられたことに気づいていなかった。
「あの、オズさま?」
「……迎えはない。これからは、私と共に暮らすのだ」
 アーサーの瞳が悲しげに見開かれ、はじめてオズを見ることをやめた。俯いて唇を振るわせた姿に、きっとこの子は泣くのだろうと思った。けれど、次の瞬間アーサーは笑っていた。無邪気な笑顔ではなく、悲しみを堪える寂しい笑顔だった。
「では、これからもオズさまとすごせるのですね!」
 オズは無意識にアーサーの頭を撫でようとした。柔らかな髪の感覚に気づいたとき、慌てて触りかけた手を止めた。慰めを与えたところでアーサーの受けた傷は変わらない。そしてオズもまた、この子を傷つける存在であることに変わりはない。オズは、食べるという目的なしに弱った子供を拾うことはできなかった。どこまでも孤独に生きる男は、人との関わり方を知らない。目的をなくしても目の前の子と関係を築いていくことなど到底できない。
「オズさま、これからよろしくお願いします」
頭を下げたこの子の信頼をオズが受け取る資格はない。だからせめて、オズは今与えられるものをこの子に与えることにした。この子を食べるまで、寄せてくれる想いを裏切らないように。
「アーサー、クリームシチューは食べれるか」
「……はい!」
アーサーの笑顔にふたたび無邪気さが戻ったことを感じながら、オズは食事の支度を始めた。
畳む


#まほやく