ののはなメモ帳

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まほやく1部の感想
#まほやく

あの、とてもよかったです。
ようやく物語と正面から向き合えそうなので、どれくらい長くなってしまうかわからないけど感想を書きます。

◾️全体

この作品の、言葉の使い方が大好きです。
魔法使いたちにとっても大切な「言葉」と「心」をとても大切にしている作品だなと思いました。

魔法は心で操るから、彼らは彼らの心を大切にする。
心は言葉に影響されるから、彼らは言葉も大切にする。
どこの話か忘れてしまったけど、ルチルが言っていた「使う言葉で、心も染まっていく」というのが、彼らが言葉を大切にする理由なのだろうと思います(大切にするというのは、ただ善い人の発言をするという意味ではなく、己の心に嘘をつかないという意味)。

それから、安易な約束をしないためでもあるのかな。
魔法使いにとって約束は大きな意味を持つから。

約束を破ったら、彼らは魔法を失ってしまう。
彼らにとっての魔法って、生まれながら育んできた友達のような存在だと思うのです。他者と関わろうとしてうまくいかずに傷ついたり、疲れたりしている彼らにとって、魔法って自分を一番に理解してくれる友達なのではないかな、と。

そんな友達が失われるかもしれないなら、約束なんて簡単にできませんよね。
それなのに、魔法舎の魔法使いたちには何人か大切な約束をしている人がいるのも印象的でした。

シノとヒースは何も知らずに約束をしたと言っていたけれど、その約束が、目指す先が違う彼らの関係を繋いでくれている。それってとても素敵なことだと私は思いました。

ミスラは、約束に彼の人となりが表れていますね。
魔力を失うなんてまっぴらごめんだと思っているのに、彼はいい加減で目の前の感情に忠実だからこそ、約束をしてしまった。
魔女チレッタを最後くらい喜ばせてやりたいと思ってしまったから約束をしたミスラは、一瞬、一瞬の自分の心をとても大切にしている人なのだなと思いました(約束したことすら忘れているあたりに彼の人柄が出ていてよい)。

あとね、メインストーリーの最後。魔法使いたちは民衆に歓迎されていたけれど、それが一時的なものなのだろうなと感じてしまうあたりも、この作品の好きな点です。
ニュアンスが違ってるかもしれないけど、力は、感謝されることも憎まれることもあるといったことが何度も作中で書かれているんですよね。
だから、今回は感謝の方向に傾いたけど、また何かで町に被害が出ることがあれば、簡単に人の心は変わってしまうのだろうなと思う。

力を持つからこそ、魔法使いは歓迎されるし恐れられる。どんなに彼らが言葉を重ねて心を通わせようとしても、力による恐れの前では見てもらえないことも多い。

そうして歓迎と拒絶を繰り返されてきた過去の上に、魔法使いたちはいる。
特に人生が長い魔法使いたちは、他者との関わりの難しさを知っている。

そんな彼らを見ていたら、一人くらいは信じられる人がいて欲しいと願ってしまうよなあ。だから、賢者は彼らと同じように「言葉」と「心」を大切にして、彼らの友達となるべく手を差し伸べるのでしょうね。
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◾️オズとアーサー

波動を感じるたびに、他の魔法使いも大勢いるのでこれ以上は語られないのかなと思ったのに、終盤まで小出しに小出しに歓迎を見せつけ続けてくれた二人です。

絶対好きなのわかってたけど、想像の何倍も私の感情をめちゃくちゃにかき乱してくれました……(感謝)。

前の賢者様は、アーサーがまだ賢者の魔法使いではない中での交流だったから、オズの態度から二人が不仲(というよりはオズがアーサーを嫌っているよう)に見えたのだろうな。

この二人の関係、結局オズ様が中央の魔法使いとして呼ばれたのが答えでよかったです。

正義感が強く、仲間思いで、リーダー気質。

オズ様、言葉数が少ないから分かりづらいだけで、上の特徴に全部一致しているのだもの。
そして、おそらくこの気質はアーサーとの関わりの中で目覚めたものなのだろうなというのが、オーエンやミスラなどの古株魔法使いの発言からちょっと察せられて、それがまた好きでした。

それにしても、オズ様は言葉以外での愛情表現が多すぎるよ。

9章4話、魔法使いたちを束ねるリーダーになって欲しくて説得に向かった場面で、アーサーの紋章に気づいたオズが表情を変えるのは、危険な役目にアーサーが選ばれたことにショックを受けてのものだと思うんですよね。
そして、その時アーサーの頼み事に対して何も言葉を返さないのに、ちゃんと話を聞いてくれていたことがお城のパーティーで判明する。
そのつもりだったなら、善処しようくらい言ってあげていいじゃん。オズ様……どうして言わないんだ(あと、ここ執拗に帰るように促してるのも多分直後にあらわれる化物に気づいてるからなんだろうなあ。もう、あなたの愛情はわかりづらいです!)。

17章6話、ニコラス自殺未遂でアーサーと叔父が揉めたあたりで、国を敵に回すような発言をしたオズが、アーサーから離れた後に優しく微笑んで、背が伸びたなとこぼす姿。
そもそもそんな態度をとったのもアーサーの名誉を守るためという思いやりからの行動なんですよね。

そうした分かりづらいオズの優しさが、ちゃんとアーサーに届くようになったのも嬉しいですよね。
物語序盤は、嫌われてしまっているのではないかと悲しい顔をしていたアーサーが、17章6話では、オズの気遣いにちゃんと気がついているんですよ。
多分オズ様への信頼だけでなく、オズ様が本当に叔父を殺そうとしたなら自分では止められるはずがないとか、そういう点も気づくきっかけにはなったと思うんですけど、とにかく自力でオズがアーサーを避けていた理由に気づくのたまらない……。

それから、なんといっても物語終盤21章7話。

名前を忘れるな、忘れさせるなと言って賢者のことも気遣ってくれてるオズが、アーサーの危険に居ても立っても居られなくなって、一か八か賢者に運命を共にさせるあの場面。

魔法が使えない夜に、バルコニーから飛び降りたんですよ?!
賢者の力を借りても使えなかったらどうするつもりだったんですか、オズ様。心中になるところでしたよ。

最序盤のファウストの治療のあたりである程度見当はついたのかもしれないし、だからこそ賢者を巻き込んだのかもしれないけど、あの行動は、それまで描かれてきたオズにしてはだいぶ衝動的だと思いました。それだけ、彼にとってのアーサーが大切な存在だとわかるんですよね。

んーー、好きです。

もう、戦いが終わった後の会話でアーサーがやっと城の人にオズを紹介できた時、私は嬉しくて嬉しくて泣きそうでした。
国の危機を救っていなければ、あの場でアーサーに来るように言われてもオズは断ったと思うんですよ。
アーサーの危機を見ていられなくなったオズ様がいたから、最後の場面に繋がったんだよなあ。

一歩間違えたらオズと賢者が心中するところだったけど、もういいです。二人がこれから共にいられる未来に貢献できただけで私は満足です。という気持ちにもなるというもの。

流れに沿って感情をまとめようとしたら、オズ様の厄災の傷が判明して、格上の相手ミスラに立ち向かって私がオズ様をお守りしますしたアーサーくんの話題を拾い損ねてしまった。
実は、SNSでわーーっと叫んだのはこの場面を見た直後のことでした。

アサオズ、末長く幸せでいてください。
多分慣れてくるとオズ様の表情だけで会話するアーサー様のお姿が、魔法舎で度々目撃されることになることでしょう。
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他にも色々書きたいことがあるのだけれど、合計3000字超えになってしまったので今回は切り上げます。

残りの感想を、オズとアーサーみたいな感じでキャラの関係性でまとめていくか、キャラ単体のことで纏めていくか、あるいは時系列に沿って書いていくかは非常に悩ましいですね。

キャラで書いた場合、フィガロだけちょっと悪口と紙一重な感想になりそうで申し訳ない。でも、それについては9割フィガロが悪いと言い張ります(フィガロはフィガロで面白い人だと思ってます。読めばわかってもらえると信じています)。