ののはなメモ帳

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遊戯王ZEXAL バリアン編を振り返る
※136話〜最終話まで

それ以前はこちら
y5nonohana.ltt.jp/memo/?postid=207

#遊戯王

見終わってしまった、遊戯王ZEXAL。
マスターピースの歌詞すぎる話でした。

信じぬく力と絆とかっとビングの話。

遊馬って第一印象だと太陽のような明るさを持っている子だけど、実際は自分を奮い立たせて明るく振る舞い続けている、内側には寂しさも抱えている月のような子で、すごく好きでした。

だからこそ、一匹狼なライバルポジの2人のことも、デュエルをしたらみんな仲間だと、絶対に一人にしないと信じぬいて仲間になれたんだろうな。

◆136-137話:ナッシュ vs ベクター

カイトさんの悲しみを乗り越えて視聴を再開したら、ドンサウザンドがとんだ小物のような扱いを受けてしまい、もしかしてラスボスってエリファスでした?と思いました。

遊馬との思想対立という意味だと、エリファスって風格が正統派ラスボスなんだもん。

ベクターが過去を思い出して良い人の顔したときに、私は「たとえその過去が正しくとも、あそこまで楽しそうに悪事に浸れる人は、もうあの頃の純粋さに帰れないよ」と思ってたら、まあその通りでした。

でも、流石にベクター父ひどいね。

記憶を取り戻して自分を消してくれと言ったベクターをあっさり信じる遊馬と、信じた素振りを見せてひっくり返される可能性を考慮しているナッシュの対比最高です。

シャークは真月が遊馬の心を裏切った過去を知っているし、ナッシュとメラグにした仕打ちも知っているから、そう簡単に信じきれないことにも納得感しかない。

ベクター敗北後、ドンサウザンドに取り込まれそうなベクターに手を伸ばした遊馬が、もう一回信じる、お前を一人にしないと言った時、もう、泣きそうだった。

遊馬は両親がいない寂しさを知っている子だから、ベクターの過去を見たこともあり、もう彼のことを見捨てられないんだなって……(そうでなくとも仲間を見捨てない子ではあるけど)。

ベクターにも、そんな遊馬の心に気づける感情がまだ残っていてよかった。
ベクター、たとえあの時の純粋さは戻らなくても、遊馬の心で空っぽだった感情が少し満たされたんだね……。多分、ただ親に認めて信じてもらいたかったところから彼は歪み始めたから。

余談ですが、ドルベさんのラストに泣いていたオタクなので、エクシーズチャージアップのカード効果がしれっと出てきた時に泣きました。


◆138話〜140話:VS ドンサウザンド

見てる時には色々思うところがあったんだけど、ちょっと、ラストの、ここまでZEXALを見てきた人なら誰でも気づくだろう遊馬お得意エクシーズチャージアップ逆転を知らないがばかりに、余裕かましてたドンサウザンドの愚かさがすごすぎて、感想が吹き飛びました。

なんか、間違いなくボスキャラのはずなのに、これまでのボスと違い微妙に滲むこの小物感はなんなんだろう(間違いなく強いは強いんだけど、感覚的にうっすら漂う小物感が拭えなくて……)。
エリファスの方がちゃんと嫌な対立ボスしてた。

なんか、あれかな。
ベクターの系譜を継いでるからかな。
強いカードとか持ってる割に、アストラル世界を人質にとったり、サイレントにカード効果発動して相手の手札書き換えたりと、やっていることが姑息というかなんというか。
そういう意味では、間違いなくバリアンのボスなのか。

強引なやり方でヌメロンコードの力使ってるのも、え、それでいいんだ?!って感じだったし。(デュエル前から張られてるフィールド魔法的な扱いだとはわかるんだけど、これありなんだ……と思った)

でも、別々の道を選ぶことになったナッシュと遊馬の共闘熱かったよ。
お互いの手の内を知っているからタッグデュエルの息もぴったりだし、遊馬が諦めそうになってもシャークが諦めるなって闘志を絶やさないの大好きだった。

そして、カイトの想いが力を貸してくれたのも大変盛り上がりましたね。

このデュエルの個人的なハイライトはアストラルとエリファスでした。
アストラルが何かを犠牲にしなければならないと判断した時に、自分を犠牲にしようとしたの、本当に、本当に、泣いてしまう。
ここまでの道で多くを無くし希望を託されてきた遊馬が、まっすぐに怒ってくれるのもよかった。

そして、そのタイミングで颯爽と現れるエリファスよ。
私、遊馬vsエリファスの時に割とエリファスの選民思想がキツすぎて、物語の中の必要性を受け入れつつこのキャラ無理……になってたんだけど、完全にこのタイミングで見直しました。
この時のアストラルの涙、美しかった。

うまく書ききれなかったが、ミザちゃんがカイトの思いをちゃんと遊馬に渡しに来てくれたのも嬉しかったです。

◆141話〜143話
ナッシュと遊馬のタッグデュエルで、直接対決回避できたと思ったのに、嘘でしょ……と思いました。

ナッシュとアストラルの対立の間に入って、和解の道を探す遊馬さんカッコ良すぎる(アストラルはどちらかというとただナッシュに道を渡さないだけで遊馬の味方してくれてるけど)。

七皇へのドンサウザンドによる人生改ざん、多分ナッシュはバリアン行きのトリガーがベクターだからされてないんだろうなと思ってたけど、それがこんな結末への道に繋がってしまうなんて……。
ナッシュの真面目さの悪用だよ、こんなの。

「バリアンのナッシュ」としてのデュエルだから、七皇を背負って律儀に自分のHPを支払い効果使うのも、その背負う思いにベクターのことすら含んでしまうのも、あまりにも真面目で、もうね……。
この人、他者の想いを背負いすぎる王の素質すぎて、本当に好き。
そんなナッシュの姿を見てアストラルが「カオスの持つ最大限の可能性」と評価してくれたの嬉しすぎる。

ヌメロンコードに対する遊馬さんの考え方もよかったな。
終盤戦、あまりにもバタバタと主要キャラが亡くなるので、メタ視点からヌメロンコードで全部解決かなと思ってたんですけど、遊馬さんが「どんなに辛くても苦しくても戦ってきた積み重ねに未来がある」って返したのが大好きすぎて、その心の強さに泣いてた……。
私の心の愚かさよ。

デュエル展開も最高だったな。
このデュエル、話の展開として一番好きかもって思った(最終話でも、アストラルvs遊馬一番好きかもって思ったので、全然好きな順番なんて決まらないけど)

ナッシュが遊馬の手を知り尽くしているあたりに、シャークが切り捨てた遊馬との友情の軌跡を感じてしまってね。
もうね、だいぶもう涙腺がダメになってますね。

※※※一部見解修正しました※※※

ナッシュが、冀望王バリアンを倒された後の展開も好きなんだ。
この時点で、デュエルからナッシュの迷いが一瞬見えるんだよね。

ナッシュ──シャークが、わかり合っているんだ、それでも引くに引けない時がある、信じてくれた仲間を裏切れない、失えないって、根っこからの心を遊馬に語ってくれるの。

その上で、ナッシュは心から対立してるつもりなのに、遊馬と戦っているうちにシャークをほんのわずかに捨てきれなくなっている気がする(私のルール理解があっていれば)。

遊馬のエースモンスターを熟知しているナッシュが、オーバーレイユニットの残るホープがいる状況で、攻撃力1600のホープにブラックレイランサーから攻撃をする理由が薄いもの。

遊馬はシャークの決意が揺らがないって受け止めてたけど、片隅で揺らいでるからこそのあの攻撃順な気がする

シャークさんって、強がりで本心を語らない部分もある人だから、シャークとして遊馬の答えを見たい気持ちも残ってたんじゃないかなあ。

だから、ラストドローに持ち込んで、決着をつけようとしたのだと、私は解釈しました。


*****
→追記修正:
よく考えたら遊馬もデュエル力相当鍛えられてるから、別にエアロシャークから攻撃しても勝てたわけではないなと気づきました。
本気で勝ちに行くなら相手のプレイミスが発生しうる順番の方が納得はいくけど、迷いがないからこそのバリアンズカオスドローの方がⅣ戦もナッシュの覚悟も輝く解釈な気がしてきた。
シャークさんが遊馬のデュエル力を信じているからこそ、小手先の順番で引っ掛けるなんて意味ないことわかってるもんね。
デュエル音痴の私は引っかかったが。

迷いがあったら、バリアンズカオスドローできないんだよ、多分。Ⅳとの決着の時、運に頼ったように。
*****

ナッシュ、遊馬のデュエルの戦略を完璧に読んだ上で、遊馬の友を見捨てない心を見極めきれずに敗北しているの、愛おしいよ。

最後に遊馬の決断がナッシュからシャークを取り戻していく展開、すごくカッコよかった。

俺はお前を犠牲にする未来なんていらねえ。

もう、カッコ良すぎる。遊馬さん。

あまりにも全ての展開がよい。
最後にグローリアスセブンを発動したナッシュさんの、淡々とした語り口調で負けていくのもすごく好き。

生涯の友……。

もう、正直、全部泣いてました。

……そして、ここまで書いておいて話を台無しにしてしまう感想だけど、純粋なデュエルとして見た時は、タキオンのタイムタイランドって、そのターンの開始後に相手がドロー効果でドローしたカードは手札に戻さなくていいんだ?!って驚きはありました。

そしてこの話のショックが強かったので一時視聴を止めようか悩んだのに、次回予告でアストラル洗脳されたのか?!ってくらいの言葉が飛び込んできたので、我慢ならずに先へ進んでしまった。
もうちょっと彼の余韻を感じればよかったかも……。

◆144話〜最終話
まだ解釈中のところもあるけど、すごくよかった。
遊馬の成長も、人を信じる心で掴んできた絆も、アストラルの変化も全部感じられる話だったし、1期の最終話を少し思い出させる話である点も大好き。

1期ラストの、目的のためにデュエルし続けてきたカイトに、もう一度デュエルの楽しさを教えている遊馬さん大好きなんだけど、Ⅱ期最後のデュエルって、このカイトの立場が遊馬さんなんですよね。
必要に迫られてデュエルする場面が増えていつの間にか遊馬が失ってしまった「デュアルを楽しむ心」をアストラルが遊馬に教える話になっているんですよね。

アストラルが、バリアン世界を滅ぼすと言った時、ナッシュとの戦いの時と言ってること変わりすぎて、洗脳されたか別の思惑があるんだろうなってすぐに思ったけど、まさか笑ってデュエルの楽しさを思い出してもらって、お別れするためだとは……。

対立せずに別れのデュエルだって言ったら、遊馬さんはあまりに多くの別れを経験してきたから、戦う前にしんみりしちゃって本気のデュエルができる状況じゃなかったもんな。

そして、アストラルと遊馬のデュエル本当に良かった。
最高のお別れだよ。

遊馬視点だと、アストラルとの突然の対立だったのに、アストラルがホープを使うと信じてデッキ組んでる遊馬さん大好き。
二人が紡いできた絆。

小鳥ちゃんにだけ本当のこと教えるのも良かったな。
遊馬にとっても、いつもデュエルを見守ってくれる小鳥の存在って励みになってたのだろうな。

アストラルが最後にヌメロンコード使った理由だけはまだ私の中でまだその意味を審議中ですが、「かっとビング」の作品だからこそ、最後に日常が帰ってきたというだけではなく、そこに危機がある限り戦い続けるエンドになったのもよかったです。

必要な別れによる寂しさも残しつつ、希望も友情も信じる心も残り続ける、良い最終話でした。

余談その1:
地上世界とバリアン世界の融合によって奪われた魂が戻ってきた時に、デュエルに勝ったが故に戻れないカイトの魂にもう一回泣くことになるとは思わなかったです、さすがに……。勝ったからこそ復活できないって……(月を見上げて嘆いているお兄様もよかった)。

余談その2:
Ⅳさんと璃緒さん会話して欲しいとは言い続けてたけど、最後の方のアストラルを助けにいくぜ!の直前のカット分割が謎すぎてちょっと笑ってしまった(そこでⅣさんと璃緒さんにすることあるんだ?!)

オービタルとアリトはまあ、まだ、カイトとシャークがソロ場面だからくっつけたのかなみたいなのあるけど、Ⅳをわざわざトロン一家の画角から外して璃緒さんと一緒にしたのはどういう意図なのでしょう。
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